近年では小手先のSEOが通用しなくなってきたことや『売込み型』と言われる一方的なマーケティング手法に嫌悪感を覚える顧客も増えてきたことから、オウンドメディア等を活用したコンテンツマーケティングに乗り出す企業が増えていますね。コンテンツマーケティングを行うためには、非常に多くのコンテンツが必要になり、このコンテンツの作成は多くの運営会社で最も大きなハードルともなっています。
コンテンツマーケティングの運営に乗り出す各企業の目的は「集客がしたい!」や「売上を今よりも上げたい」等が主でしょうが、その目的を達成する以前に疲弊してしまい中断してしまう等といった事は非常に多く見られます。コンテンツマーケティングにおけるコンテンツは『見込み客のニーズを満たす、オリジナルで良質なコンテンツ』を多く作成する事を求められています。しかし、失敗する企業の多くはコンテンツを作成することにだけ注目し、ターゲットのニーズにマッチしないコンテンツやどこでも手に入るような価値の薄いコンテンツの配信になってしまっている事が非常に多く見られます。
コンテンツの作成は確かにとても大変な作業で多くの企業で悩みの種になっている事も事実です。しかも「どんなコンテンツを出せばいいのか?」「今配信しているコンテンツはこれでいいのか?」等と悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はコンテンツマーケティングで売上アップに繋げるための注意点をいくつかご紹介したいと思います。
目次
1.コンテンツマーケティングの目的は明確に!
コンテンツマーケティングを始める場合には「何を目的として運営するのか?」という事を明確にすることが非常に重要です。
多くの企業にありがちな間違いで、コンテンツマーケティングを始めるとまず「どんなコンテンツを作ろうかな?」という話になる事があります。どんなコンテンツを作るのかも、もちろん重要な要素ですが『目的』が明確になっていない状況では方向性もバラバラなコンテンツになってしまい、無駄な労力になってしまう場合が多いです。その為、コンテンツマーケティングの運営を始める場合は、まず最初に『戦略』と『目的』を明確化しましょう。
「売上アップ」は目的じゃない!?
ここまで読んで頂き「コンテンツマーケティングの目的は売上アップだろ。」と思った方も多いかもしれませんね。もちろん最終的な目的は売上のアップですし、間違ってはいないのですがこの答えは適切でもありません。企業にとって『売上のアップ』や『集客』『利益アップ』は当たり前であって、コンテンツマーケティングを運営する上で設定する目的はもっと詳細な物が必要になるのです。
いくつか例を挙げておくと、
この場合、コンテンツマーケティングの目的は会社又は商品の『認知度アップ』になりますね。
この場合、コンテンツマーケティングの目的は『商品知識の正しい訴求』の為になりますね。
少し極端ですが、このように『何のために?』という事がとても重要になります。しかし明確に目的を設定することでコンテンツとして何を用意すればいいのか?等の方向性も明確になるので、コンテンツ作りはスムーズに進むようになります。
2.コンテンツマーケティングの基本的顧客動向を理解しよう
コンテンツマーケティングを運営する上ではあなたの会社の見込み顧客がどのような動向をするのかを理解しておく必要があります。
例えば、あなたの会社(商品)をよく知らない人に対してアプローチしていく事を考えてください。その顧客があなたの商品やサービスを購入する場合にはいくつかの段階が存在し、その段階によって必要とされるコンテンツも変わってきます。
まずはどんな段階があるか知っておきましょう
顧客がまだまだ自分の課題に気づいていない状態は潜在ニーズと呼ばれ、まずあなたの商品やサービスで解決できる『顧客の問題(課題)』に気づいてもらう必要があります。顧客はまだ課題に気づいていない状態なので、「こんなものがあるんだ。」程度でも充分です。簡単に言うと興味を持ってもらう段階です。
STEP2.解決策を探す
『自分の課題』に気づいた顧客が次に求めるのはもちろんその『解決策』ですよね。顧客はこの段階で「どのように問題を解決すればいいのか?」と解決策の選択肢を探しその検討段階に入ります。具体的には「あなたの解決策がいいのか?」「競合他社の物がいいのか?」「今回は諦める」などその答えは様々存在しますね。
しかし顧客がどのような行動に移るかを理解しておけば先行してその解決策の提示が可能となります。
STEP3.問題が解決できると感じたら購入
解決策を見つけ、その解決策で『自分の課題を解決できる』と思った顧客はいよいよ購入の段階に入ります。この段階で漸く顧客があなたの商品やサービスにお金を払ってもらう事が可能になります。
上記の様に顧客が購入にまで到達するには各段階を経なければなりません。そもそも顧客が自分の課題に気づいていない場合であれば、STEP2で示したあなたの商品の検討段階にすら進みませんし、そうなると購入も基本的には望めませんよね!
コンテンツマーケティングでは、あなたの商品を顧客が購入するには、どのような課題を見つけ、どのような解決策を示したときに購入に移るのかをしっかりと理解した上で、各段階において顧客が満足するようなコンテンツを用意することが非常に重要になります。つまり、
- 顧客が問題に気づくための興味を惹くコンテンツ
- あなたの解決策を選んでもらうためのコンテンツ
- 購入に踏み切る為のコンテンツ
の様に各段階における有益なコンテンツを作る必要があります。
3.コンテンツは『意図』を持って作ろう
コンテンツマーケティングを成功に導くためには、顧客の動向を予測し、次のステップに導く事を意識したコンテンツ作りが重要です。
上述の段階の事を考えると、『STEP.1⇒STEP.2』、『STEP.2⇒STEP.3』と進んでもらわなければいけませんね。その為には顧客がどのような要望を持っているのか、どのような情報を求めているのかを理解することが最も結果につながる近道です。
一般的な顧客の要望に対するコンテンツ作りをいくつか紹介してみましょう。
顧客の要望に対するコンテンツ例
良くあるシチュエーションですね。こういった顧客にはあなたの商品と競合商品(サービス)との比較等を行うコンテンツがとても有効ですよね。性能面・デザイン面などを比較したいと考える顧客が次のステップに進むには重要なコンテンツですね。
これも顧客の要望としては良くあります。あなたの商品(サービス)に興味を持った顧客が購入を考えた際、必ずと言っていいほど価格やプランを気にしますよね。そういった場合にはわかりやすい価格表や、プランの詳細、各プランのメリットなどのが重要なコンテンツとなります。
最近では何かを購入する前の顧客は、高い確率で口コミ等を確認しますね。興味を持った商品が本当に信頼できる商品なのか?自分の課題を解決できるのか?といった心理を解消してあげるコンテンツが必要です。実際に購入した顧客の声や、使用している場面の画像や動画などが非常に有効です。SNS等も利用することも重要ですね。
上記の様に顧客の要望と行動を理解し、その欲求を満たすことの出来るコンテンツをどんどん用意することで、あなたの商品(サービス)の購入につながるコンテンツ資産は徐々に増え、収益へとつなげていくことができます。
顧客の潜在ニーズを顕在ニーズに移行させる第一段階のコンテンツでサイトへの集客することも非常に重要ですが、実際に『購入』という結果につなげるためには、その後の顧客の要望に的確に返答できるコンテンツを用意しておくことはとても重要です。
コンテンツマーケティングは顧客の集客から購入までの流れを意図を持って作ることが成功のカギとなります。
4.コンテンツ届けるターゲット(顧客)を定義しよう
コンテンツマーケティングではあなたのコンテンツを届けるターゲットを明確に決める事もとても重要です。要するにあなたの作ったコンテンツを「誰に見てもらうのか?」「誰に届けるのか?」という事です。
弊社とお客様との打ち合わせでは必ずお客様の『ターゲット』は誰なのか?という事をご質問させて頂きます。そうすると「20代・30代の男性」「○○市内に住んでいる人」等といったご回答を頂くことが多くあります。一見、ターゲティングとしては間違っていないように見えますが、実際には十分ではないと言えます。
それは趣味趣向が多様化し、流行の入れ替わりも非常に早い近年では、「年代」「性別」「地域」等といった漠然とした属性値によるセグメント分けでは、見込み客にコンテンツを届ける事が難しくなっているからです。その為、コンテンツマーケティングにおけるターゲットの定義は『顧客のニーズ』によるセグメント化が重要になります。
顧客ニーズによるターゲットの定義
インターネットで様々な情報を簡単に手に入れる事が出来るようになった現代では趣味趣向が非常に多様化しています。その為、あなたの商品(サービス)に興味や関心を示す顧客にコンテンツを届けるためには「あなたの顧客が何を望んでいるのか?」という顧客のニーズをつかまなければなりません。その為、ターゲットのセグメント分けはニーズによって行う事が今の多様化した社会に合っているのだと思います。
ニーズによってセグメント化するには、「肩こりで困っている」「最近眠れなくて困っている」など、あなたの商品(サービス)で解決できる「顧客が困っている事」を洗い出してみると良いでしょう。
顧客ニーズからペルソナを想定しましょう
ニーズによるセグメント化が出来たら、そこから具体的なターゲット像をイメージすることは比較的簡単に出来るようになりますね。所謂、ペルソナの設定と言われるものです。
例えば「○○で困っている人」の設定を詳細に自分で想定していくといいでしょう。その設定は、氏名、年齢、性別等の様な定量的なデータだけでなく、その人の生い立ちから現在までの様子、身体的・性格的特徴等の定性的データを含めて設定するととても具体的なターゲット像が見えてきますね。
顧客のニーズとターゲットの設定が決まればあなたがどのようなコンテンツを作らなければならないかはおのずと見えてきます。
5.コンテンツマーケティングはクロスメディアが重要
コンテンツマーケティングは、上述したような『あなたの設定した見込み客』の『要望』にあったコンテンツを配信することがとても重要です。しかし、そのコンテンツはより多くの人に見てもらう必要があると言うのはわかりますよね。近年ではコンテンツマーケティングの一環としてオウンドメディアを開設する企業も多いですが、コンテンツを配信する場所は他にも多数存在します。例えば
- インスタグラム
- Youtube
- メールマガジン
上記の様に最近ではコンテンツの配信先は複数あります。そして、見込み客が主に利用している媒体はそれぞれが違っている場合があります。したがって、コンテンツを作成した場合には複数の媒体に配信する必要があるのです。
まとめ
今回はコンテンツマーケティングを成功に導くためにはどんなことに注意すればよいのかについていくつかのポイントにまとめてご紹介させて頂きました。
コンテンツマーケティングはコンテンツを届けたいターゲットやあなたがコンテンツマーケットを運営する目的を明確に定義して運営する必要がある事がわかっていただけたのではないでしょうか。また、顧客の『段階』に沿ったコンテンツをきちんと意図を持って作成することが成果を出すための最も近道になるポイントです。
コンテンツマーケティングは冒頭でも述べました『見込み客のニーズを満たす、オリジナルで良質なコンテンツ』を継続して配信することがとても重要になってきます。もちろん「言うは簡単」で実際に実行しようと思えば簡単ではないと思います。
しかし、これが実行できる会社のコンテンツマーケティングは成功する確率が非常に高くなることでしょうし、作成したコンテンツが売り上げに貢献することにもなるでしょう。